彼の指先が髪をすくうたび首筋にかかる微かな吐息に思わず背筋が震える
「動かないでくださいね」
低く落ち着いた声けれどその声音には何か内緒のことを耳打ちされるような熱があった
ハサミが耳元でリズムを刻むそのたび、指先が頬や襟足をかすめていくわずかな接触なのに身体の奥が静かにざわつく
「似合ってるよ」
互いの視線は鏡越しに熱く交わる美容室に行ってきたよ短くなったよまどか