| プライベート日記 |

| 壊れゆくもの |
エロスは本能![]()
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彼女の息遣いが、耳にまとわりつく。
甘く、湿っていて、
その一音一音が、俺の神経を焼く。
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喉が渇く。
胸が熱い。
でも、いちばん焼けついているのは――
下半身だった。
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指を這わせるたびに、
彼女の脚が震え、
「やだ」「そこ、だめ……」と口では言いながらも、
その身体は、俺にすべてを預けてきていた。
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わかってる。
今なら、何をしても受け入れてくれるって。
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けど俺はまだ、
服の上から胸を撫でて、
耳に吐息を送り、
太ももに手を滑らせているだけ。
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触れているはずの俺が、
なぜか、焦らされている気がした。
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自分がしたいのは、
彼女を満たすことなのか。
それとも――
その声、表情、崩れていく姿を見ながら、
自分の欲望に溺れたいだけなのか。
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「……クソ……っ」
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呟きとともに、唇を押し当てる。
もう我慢が効かない。
肌に吸いつくように、強く、深く。
指の力も、強くなっていた。
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彼女の体温に、俺の熱が重なる。
交わる前から、
こんなにも境界が曖昧になるなんて。
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舌が、首筋を這う。
汗と肌の香り、少し早まった鼓動。
それらがすべて、俺を壊していく。
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「ねぇ……どうしてそんな……やさしくて、意地悪なの……?」
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彼女がそう呟いた瞬間、
俺の中で、最後の糸が切れた。
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「……もうやさしくなんて、できないかもな」
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そう言いながら、俺は彼女の身体を抱き寄せる。
背中に腕を回し、脚を絡め、
布一枚越しのぬくもりを、全身で感じながら――
唇を、喉元、鎖骨、胸の谷間へと這わせていく。
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俺の中の“男”が、叫んでいた。
「奪え」と。
「全部、壊せ」と。
「もう待つな」と。
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そして、彼女の身体はそれを拒まない。
むしろ、すべてを許している――そんな熱を放っていた。
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もう理性なんて残っていなかった。
ここから先は、
俺たちの“欲”が、ぜんぶ引き受ける。