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貴方は？

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雪の夜。

サンタクロースの装いをしたまま、俺は静かな路地で彼女を待っていた。

赤と白のコート、黒の手袋。

今夜は“配達”ではない。──俺が欲しいのは、プレゼントを「渡す」ことじゃない。

受け取る側の、甘い反応だった。

彼女が現れた瞬間、俺の中のスイッチが静かに入った。

コートの襟をすぼめながら歩くその仕草。

かじかむ指先を温めるように頬にあてた瞬間、俺の視線はそこに釘づけになった。

その仕草すら、愛撫された後みたいに艶っぽい。

「寒くない？」

声をかけた瞬間、彼女がびくんと肩を揺らす。

ああ…その反応、たまらない。

まだ触れてすらいないのに、彼女の身体からはうっすらと甘い熱気が漂っていた。

それが鼻先をかすめて、俺の中の興奮に火をつける。

俺はわざと、彼女の頬に触れる“ふり”をした。

指先をぎりぎりの距離で止め、肌には決して触れない。

それだけで、彼女はまるで撫でられたように小さく喘ぐ。

「……そんな声、出しちゃうの？」

くすりと笑うと、彼女はますます頬を染めた。

その様子がまたたまらなくて、理性がじわじわと侵食されていく。

首筋に息を吹きかける。

そのだけで、彼女の脚がすこしすぼまり、呼吸が荒くなる。

まだ、触れていないのに。

まるで、目と声と気配だけで、彼女の身体の奥を溶かしているような感覚。

その征服感が、俺の奥の奥をジリジリと焦がしてくる。

「乳首…立ってるの、分かるよ」

胸元に目を落とせば、コート越しにも分かる硬さ。

自分でも気づいて恥ずかしがるその表情に、俺は限界寸前だった。

でも、まだ触れない。触れずに堕とすことに、今夜は意味がある。

「ほら、動けないでしょ……俺の声、身体に響いてるんだ」

彼女の脚がもじもじと擦れ合い、蜜を溜め込んだ音が、微かに空気を震わせた。

その音が俺の股間を一気に熱くさせる。

けれど手は、まだ動かさない。

彼女の「欲しい」が頂点に達する、その瞬間まで。

近づき、唇が唇に触れそうな距離で囁く。

「お願いって言って……触れてって。声に出して」

彼女は涙目で、熱く濡れた瞳をこちらに向ける。

そして、ぽつりと──

「……お願い、触れて……」

その一言が、俺の理性を真っ二つに折った。

その瞬間、俺の指が腰に伸びた。

触れた途端、彼女はくたりと俺に体重を預け、全身が甘く蕩けていった。

まだ前戯は始まったばかり。

けれど、すでに彼女の身体は、俺を待ちきれないほど熟れていた──。