2025/12/21 22:54
切れない電話、深まる熱
電話する時って、緊張しちゃう。
だって、あなたの声が
耳に直接響くんだから![]()
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
プルプルプル〜
受話器の向こうから、あなたの声が聞こえた。
少し掠れていて、息が混じる。
なんだか疲れているみたいで、寝起きの名残を引きずったような、甘い低音。
「……起こしちゃった?」
そう言われただけなのに、胸の奥がじんわり熱を帯びる。
電話越しなのに、距離が近い。
まるで耳元で囁かれているみたいで、無意識に受話器を持つ指に力が入った。
「ううん、大丈夫」
そう答えながら、嘘をついたのはどっちだろう。
起こされたのは、眠りじゃない。
静かに整えていた心の奥を、あなたの声がそっと揺らした。
「今日はさ……」
言葉を探す間の沈黙が、やけに色っぽい。
規則正しくない呼吸音が、鼓膜を撫でるたび、想像が勝手に膨らんでいく。
疲れてるのに、電話を切らないあなた。
声を聞くだけでいい、なんて言いながら、
本当はそれ以上を欲しがっているのが、伝わってくる。
「……今、何してた?」
その質問は、ただの確認じゃない。
互いの夜の温度を、確かめ合うための合図。
私は答えない代わりに、少しだけ息を吸う。
それだけで、あなたは小さく笑った。
「その沈黙、ずるい」
低く、柔らかく、絡みつくような声。
言葉が触れるたび、身体の内側が静かにほどけていく。
見えないはずなのに、
見られている気がして。
触れられていないのに、
触れられているみたいで。
電話の向こうとこちら。
たったそれだけの距離が、今はもどかしくてたまらない。
「……会いたいな」
囁くようなその一言で、夜が一気に深くなる。
この先に何が待っているのか、言葉にしなくてもわかってしまうほどに。
受話器を通して重なる呼吸。
高鳴る鼓動。
そして、切れない電話。
——この夜は、まだ始まったばかりだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あぁ。 声だけじゃ物足りない
って、思う時あるよね〜
せい

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