2025/11/5 00:20
汚れつちまつた悲しみに
信号待ちをしてました
左から白杖で歩くおじさんが
横断歩道を歩いてきました
小走りで近づく人がいます
ニット帽にリュックを
背負った外国人さん
肌の色は黒く
中東出身のよう
外国人さんは
白杖のおじさんを
横断歩道途中まで
肘をつかみ誘導します
振り返り振り返り
おじさんを見ます
おじさんは早足で
スタスタと歩きますが
段々と右にそれて
ガードレールに
ぶつかる寸前
外国人さんが
走っておじさんの
肘を掴み軌道修正して
あげました
歩行者信号が
赤になる直前
外国人さんは
元いた場所に戻り
自転車にまたがり
おじさんとは
逆の方向へ
風のように颯爽と
走り去っていきました
ああ、なんと清らかで
素晴らしい人でしょうか
多分すれ違いざま
白杖のおじさんのことが
気になってわざわざ
自転車停めて降り誘導する
信号待ちとはいえ
私はただ2人を
眺めていただけ
ハラハラして
心配しただけ
二人の姿に
感動しただけ
汚れつちまつた悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れつちまつた悲しみに
なすところもなく日は暮れる
汚れた心でごめんなさい
というなんともいえない
複雑な気持ち


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